前作『キューピッド・デラックス』が全世界から大絶賛を受けた天才プロデューサー、ブラッド・オレンジことデヴ・ハインズが約3年振り、3作目となる新作をリリース!!! 新作のタイトル『フリータウン・サウンド』は彼の父親の産まれた街シエラレオネの首都、フリータウンから。「僕の人生について歌ったアルバムを作り終えたよ」とデヴ自身が語るように、今作は彼のパーソナルな部分や、人種問題、宗教、性差別など様々なテーマを扱った全17曲を収録。また、カーリー・レイ・ジェプセンなど、女性アーティストが多数参加しているのも聴きどころ。前作以上に、最高のR&Bアルバムと称賛されてほしい!

 


2014年末に登場したディアンジェロの『Black Messiah』、そしてケンドリック・ラマーの2015年作『To Pimp A Butterfly』に続き、今年はビヨンセ『Lemonade』とこのブラッド・オレンジことデヴ・ハインズのニュー・アルバムが〈Black Lives Matter〉運動を象徴する作品ということになるだろうか。タイトルの〈Freetown〉とは、彼の父親が生まれた街の名前。冒頭曲でミッシー・エリオットの功績を讃え、黒人少年が自警団に射殺された事件について言及する“Hands Up”では〈撃つな!〉と叫ぶ生々しい声を収めていて、フェミニズムやブラック・カルチャーへの強い共感が大きなテーマとなっている。もっとも、音の鳴りは過去2作の延長線上にあるもので、耳だけで聴くぶんには軽やかかつスウィート。ジャズや映画音楽をネタ使いしながら、80sライクなシンセ・ポップをアーバン作法で鳴らしている。カーリー・レイ・ジェプセンやネリー・ファータドデボラ・ハリーらゲストの人選もナイスだ。