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インタビュー

ハロー・フォーエヴァー(Hello Forever)、ビートルズ/ビーチ・ボーイズ直系バンドの意外な現代性とは?

デビュー作『Whatever It Is』を起点に黒田隆憲と岡村詩野が迫る

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モダナイズされた〈サイケデリック・ポップ〉

――まずは、ハロー・フォーエヴァーを聴いたときの第一印象から教えてください。

黒田隆憲「僕はアルバムより先に、シングル“Everything Is So Hard”のミュージック・ビデオをYouTubeで観て衝撃を受けました。アレハンドロ・ホドロフスキーの『ホーリー・マウンテン』や、アリ・アスターの『ミッドサマー』を彷彿させるサイケデリックな映像や、ビートルズ~ポール・マッカートニーっぽいメロディー、ジョージ・マーティンがスコアを書いたようなストリングスの入り方とかに〈これはすごい!〉って。

それに比べるとアルバムには、ビートルズというよりビーチ・ボーイズを強く感じました。しかもダーティー・プロジェクターズっぽい雰囲気もあって、彼らとビーチ・ボーイズのミッシングリンクというか、ダーティー・プロジェクターズの中にある〈ビーチ・ボーイズらしさ〉を改めて認識させられましたね。そういう意味でもハロー・フォーエヴァーは、〈サイケデリック・ポップ〉と言われているもののなかでは、結構モダンなアプローチをしているなと」

『Whatever It Is』収録曲“Everything Is So Hard”

――アルバムの中で特にお気に入りの曲ってありますか?

黒田「“Get It Right”がすごく好きです。2分ちょっとしかないんですけど、そのなかでめまぐるしく展開していく組曲っぽい感じが好きです。あとは、“Her Everything”ですね。ベースラインが反復していくなかでメロディーとハーモニーが展開していく感じも気持ち良いし、ギターの音響っぽいアプローチはビーチ・ハウス辺りを彷彿させます」

『Whatever It Is』収録曲“Get It Right”“Her Everything”

――岡村さんはいかがでしょう?

岡村詩野「私も最初に楽曲単位で聴いた印象としてはビーチ・ボーイズだとか、そういういわゆる〈サイケデリックでハーモニーありきのポップス〉って感じでした。ただアルバム全体を聴いてみると、ビーチ・ボーイズとかレノン=マッカートニー・ライクなもの以上に、もうちょっと現代的な要素を強く感じたんですね。

たとえばダーティー・プロジェクターズの最近の作品は、オートチューン使いなどの面で、今日のR&Bとかヒップホップの影響を受けている。それと同様にハロー・フォーエヴァーも、今日的なブラック・ミュージックの流れを踏まえた音楽の作り方・捉え方をしてる人たちだなと思ったんですね。

なので、アルバムの中で重要だと思う楽曲は“Rise”です。私はダントツでフックがあると思ってます。あと“Yeah Like Whatever”なんかも、やっぱりソウル~R&Bの要素が強くて、こういう曲の方にこそ実はこのバンドの面白さが潜んでる気がします」

『Whatever It Is』収録曲“Rise”“Yeah Like Whatever”

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