アシッド・ジャズ全盛期から活動するUKソウル王子の8年ぶりとなる新作。スティーヴィー・ワンダー似の声は往時のままで、ラテンやファンクも交えつつ美麗なオーケストラに包まれながらエレガントなソウルを歌って自身の流儀を極める姿が清々しい。ゲストも多数で、ポール・ウェラーとモッドなソウルに挑めば、海を越えた同志のエリック・ロバーソンとラヒーム・デヴォーンとは直球のネオ・ソウルを披露。レディシやインディア・アリー、マリー・ドルヌ(ザップ・ママ)の娘キージアとのデュエットも美しい。ダイナスティの定番ネタ使いやジェルー・ザ・ダマジャの客演も一周して目新しく映る充実作だ。