2017年にデビュー、その翌年にリリースしたEP『Have Fun』で世界中に強烈な印象を残したノルウェーの女性デュオ、スメーツが満を持してファースト・フル・アルバムを完成。近年にわかに盛り上がりを見せるノルウェーの地下クラブ・シーンの不穏なムードを纏いながら、スローモーに展開していくダーク・エレクトロ“Believer”、トランシーなウワモノの下をかいくぐりながら切々と歌い続ける“I Don't Talk About That Much”、荘厳なインスト“Hva Hvis”など、北欧のトラディショナルな意匠のなかにクラシックやオペラの要素も滲ませて聴き手を惹き付ける。冷ややかな狂気とポップネスを奇跡的なバランスで保った楽曲、そしてすでに確立された世界観は2020年代以降の新たな基軸となり得るものだ。