NONA REEVESのポップミュージック愛にあふれた『POP STATION』
NONA REEVESが、約2年ぶりにビルボードライブに登場する。今回の公演は〈Revisit the “POP STATION”〉をテーマとし、2013年にリリースした12thアルバム『POP STATION』をメインとしたステージを披露するとのこと。とはいえ、そこはポップスを深く愛する西寺郷太、奥田健介、小松シゲルからなるノーナのことだ、きっと単なる再現ライブにはならないだろう。
本稿では『POP STATION』の音楽性や、いま同アルバムの楽曲をパフォーマンスする意義などを考えながら、ライブの見どころを記していく。
あらためて『POP STATION』を通して聴くと、まず立ち上がってくるのはポップスとしての強度だ。70年代から90年代にいたるまでのポップミュージックを溺愛するノーナだけに、懐かしさよりも音楽的な〈鳴り〉の良さが耳に残る。特定のジャンルやトレンドに寄り添うことなく、独自のポップフォーマットを追求してきた彼らのサウンドとアンサンブルは、いつの時代も鮮烈に感じられる。
そうした瑞々しさを感じられるのは、風通しの良いサウンドデザインに秘密があるように思う。例えば奥田が作曲した“Mr. Melody Maker”などをはじめ、いずれのナンバーも音が過度にぶつかり合うことなく、各楽器のフレーズがスッと耳に入ってくる。整理された音像の中で自然に立ち上がってくるメロディも含め、『POP STATION』の収録曲は多様なジャンルの曲が並ぶ現在のプレイリスト文化においても特筆した輝きを放っている、と言えるのではないだろうか。
また、楽曲ごとのアプローチの幅広さも印象的だ。一十三十一を招いたラグジュアリーなバラード“GOLDEN CITY”、ワム!“Wake Me Up Before You Go-Go”が透けて見えるゴキゲンな“Weee Like It!!!”、ギターとシンセが絡み合う80sファンクロック“Never Ever Let U Down”など、ノーナならではの成熟したポップスは聴き心地満点。こうした視点の広さは、メンバーそれぞれが個々の活動で培った経験や、西寺をはじめとしたメンバーのポップミュージックへの愛あってこそのものだろう。
ビルボードライブ東京で様々なポップが交差する
今回の公演でも披露される可能性の高いアルバムの幕開けを飾る“P-O-P-T-R-A-I-N”は、軽快なリズムの上をメロディが迷いなく走り抜けるディスコチューンだ。当時公開されたセルフライナーノーツによれば、〈「時間」や「時空」について皆で考えたい、フロアで〉とある。ポップスの時間軸そのものを拡張する試みに挑んだ曲だとすれば、この曲が2026年のいま改めて鳴らされる意味もまた、そこに重なる。
『POP STATION』の〈STATION〉とは、様々なポップが交差し、聴く側も自由に乗り降りできるターミナル駅を指しているようにも思える。多様な音楽要素が行き交い、それでもなお〈NONA REEVESのポップス〉として着地する。その場所に、2026年のいま改めて降り立ったとき、どんな音が鳴らされるのか。過去をなぞるのではなく現在地を確かめるために、そこで提示されるポップスの輪郭をぜひフロアで確かめてほしい。
LIVE INFORMATION
NONA REEVES
Revisit the “POP STATION” at Billboard Live TOKYO
2026年4月3日(金)ビルボードライブ東京
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:20:00/21:00
https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-21164
■チケット料金 ※飲食代金別
DXシート DUO:20,400円(ペア販売)
DUOシート:19,300円(ペア販売)
DXシート カウンター:10,200円
S指定席:9,100円
R指定席:8,000円
カジュアルシート:7,500円(1ドリンク付)
※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります
■メンバー
西寺郷太(ボーカル)
奥田健介(ギター)
小松シゲル(ドラムス)
南條レオ(ベース)
冨田謙(キーボード)
真城めぐみ(コーラス)