現実味と酩酊感を湛えたポエトリー曲“たまにおもうこと”から小粋に始まる15作目。アルバムとして聴きたい気分を高め、Homecomingsの畳野彩加とのWヴォーカルが清らかでポップな“Regulus”、くるりならではの詩情や幽玄な響きが染みる“金星”と繋ぐ序盤の流れに心躍った。ナポリ民謡が下地の“La Palummella”、ひさびさにメタルを投じた“C'est la vie”など、サウンドの幅広さは健在で、忌憚なき労働歌“はたらくだれかのように”、ラップ&クラシックが劇的に重なるフィナーレ“ワンダリング”も素晴らしい。埋没しがちな想いを、失くさぬよう丁寧に掬い取っている。