pool$ide『hydrate』神戸のトラックメイカーが街の仲間たちと奏でる〈架空のプールサイド〉

2021.04.07

プールサイド、この心躍る響き。tofubeatsは〈プールサイドは一体どこにある?〉と歌い、井上陽水は〈あなたに会う夜はプールサイドのそばのもっと横にいる〉と歌った。プールサイドとはノスタルジーと憧憬の交差する場所に存在し、遠きにありて思うもの……。

兵庫・神戸在住のプロデューサー/トラックメイカーpool$ideは、ポスト・ヴェイパーウェイヴのビート・ミュージックとしての佳作をコンスタントにリリースしているアーティストだ。飛び込み台からのダイブ、水しぶきがフロアに跳ね上がり、波がゆっくりと減退していく……そんな様々な〈水〉の音をエコーさせつつ、FM音源風のマリンバやリード・シンセの音色、声ならぬ声を歌うヴォーカル・チョップ、いずれも非常に人工美的な編集センスで、あたかも〈架空のプールサイド〉を描写するようなトラックを一貫して作り続けている。

2017年の『swim EP』『swim EP2』、2018年にはLocal Visionsから『aquarius』とコンスタントなリリースを続けてきたpool$ideが2021年3月に、神戸に拠点を構えるインディー・レーベル〈Sauna Cool〉からCD&配信作品としてリリースした『hydrate』は、そんなこれまで同様の作風を貫きながらも、かつてなくゲストの多い一枚となっている。

ラッパーとして参加しているhyunis1000、Lil Soft Tennis、リミキサーとしては、pool$ideとAuto Save Collectiveというクルーを組んでいるAdiem Ouskyer Reyskuo、UMrooms、Yilleらに加え、マスタリングも務めるTsudio Studio……いずれも神戸に拠点を置くpool$ideと同郷の関西圏のアーティスト達である。三ノ宮のバー/イベント・スペース〈Otohatoba〉などを中心に、普段からの交流から編まれた参加陣と言えるだろう(また、リリース元であるSauna Coolも、軽食サウナクールミニ神戸として店舗も構えている)。

〈存在しないユートピアへの憧れ〉はシーパンクやヴェイパーウェイヴに一貫したテーマだが、そんな〈ここではないどこか〉を求める作品を、神戸という街の地縁の仲間たちと作り上げる――『hydrate』ではそんな試みがごく自然に、ネット/リアルの境い目なく行なわれている。

昨年に続き、今夏もまだまだ、賑々しい遊びは難しい気配だ。pool$ideが奏でる〈架空のプールサイド〉で、その気分だけでも夢想しよう。

 


RELEASE INFORMATION

リリース日:2021年3月3日(水)
品番:SC12
価格:2,750円(税込)
フォーマット:CD(透明ジャケット仕様)

TRACKLIST
1. soak (intro)
2. hydrate (feat. hyunis1000)
3. doggy paddle
4. ULTRA ACTION WATER
5. water dragon
6. shui-shun (feat. Lil Soft Tennis)
7. I am water
8. hydrate (Adiem Ouskyer Reyskuo Remix)
9. ULTRA ACTION WATER (UMrooms remix)
10. shui-shun (Yille remix)
11. water dragon (Tsudio Studio remix)

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