こんにちは、TOWER DOORSスタッフです。
TOWER DOORSが注目する新人アーティストの魅力に迫るメール・インタビュー企画〈6つの質問〉。いままで質問に答えてくれたアーティストの楽曲は下記の再生リストにまとめてあります。
今回登場するアーティストは、バンド/アートコレクティヴ、aiver(アイヴァー)です。TOWER DOORSでは、“silver wave”を紹介しています。
2017年の暮れに結成され、2018年3月より本格的に活動を開始したaiver。その1年後の2019年3月にファースト・シングル”aiver”をリリースし、同曲のショートMVが早耳リスナーの間で話題になりました。
1st single
— aiver (@_aiver) 2019年3月30日
"aiver"
is now available on Apple Music/Spotify/etc..
▼music/lyrics produced by
AIVER
▼teaser video directed by
OXYMORON(@oxymoron_net) from yago(@yago_inc)
▼face visual generated by
AI of Ryosuke Nakajima (@rystylee)https://t.co/DGtt6SgFgx pic.twitter.com/CWHWISurlX
動画から窺えるように、メンバーはAIやVR、ブロックチェーン、ジェネレイティヴ・アートといった先端技術の見識を持ち、それを活かしたサウンドやヴィジュアル表現を行う、実に現代的なアーティスト集団。〈アルスエレクトロニカ〉や〈文化庁メディア芸術祭〉などでの展示経験がある脇田玲、ライブ・コーディングの第一人者である田所淳といった一流クリエイターたちとの共演を果たすなど、マルチな活躍をしています。
そんな彼らの描く音楽は、アンビエントやエクスペリメンタルなエレクトロニック・サウンドを織り交ぜた、Sci-Fiで退廃的なもの。どこか儚く幽玄なその音楽は、日本では稀有なものだと言えるでしょう。それはまるで、ArcaやSOPHIEのような先鋭的な音楽家と、Bon IverやJames Blakeのような荘厳で美しいアンビエンスを湛えた作家たちが同時に演奏しているかのよう。
そんなaiverの魅力に〈6つの質問〉から触れていきましょう。メンバーのakashi yoshidaが答えてくれました。
1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。
「2016年の春から夏にかけて、現在aiverでも一緒に活動しているriki shimadaの他、YOTOWNでドラムを叩いているkento kamada、a子さんのバンドなどでサポートギターを弾いているmasumi saitoとバンドを組んでカナダのモントリオールで活動していました。
ただ色々な問題が発生して、結局何も残せないまま東京に帰国することになってしまったんです。当時のバンドでも自分がリーダーをやっていたこともあって、結構責任感を感じてしまって一時期はあまり音楽を作れない状態になっていたのですが、そこから色々なアーティストの影響を受けてもう一度奮起してみようと考え、メンバーを集めたことがaiverの結成の経緯になっています」
2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?
「Bon Iverの『22, A Million』というアルバムには多大な影響を受けています。特に“10 d E A T h b R E a s T ⚄ ⚄”を初めて聴いた時にそれまでの音楽的な価値観が一変したことを今でも覚えています。
「Oneohtrix Point Neverの『Age Of』も音楽性の面で非常に影響を受けています。特に東京に来日した際のバンドセットでの彼の演奏(〈MYRIAD〉公演)を見て、彼の音楽的な懐の広さを痛感し、それ以降の音楽制作にかなり影響を及ぼしていると感じています」
「他にもTravis Scott、JPEGMAFIA、Atoms For Peaceなどもとても好きです」
3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?
“silver wave”
「2019年の夏頃、天気の悪い日に海を眺めている時の着想を基に作曲を始めました。
海の音、風が吹き荒れる音、届きにくい自分の声、イメージにある穏やかで澄んだ海とは対照的な陰鬱で激しい海 などを体感している中で、自分の存在性のスケール感が徐々に失われていく/崩れていく感覚があったのですが、その感覚をそのまま曲にしています」
4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?
「交流が深い訳ではないのですが、Laastc、東京亜種などのような音楽に留まらない表現をしているアーティスト、コレクティブから強く影響を受けています」
「他にもyouheyhey、JACKSON kakiくん、pool$ideくんなどとも交流があって、陰ながら注目しています」
5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?
NNAMDÏの『BRAT』
jjjacobの『Body Without Organs』
青島主税さんの『深世海 Into the Depths Hidden Tracks』
draag meの『mixtape II』
6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。
「今回リリースした“silver wave”と同様の形式で5曲ほど年内にリリース予定です。バーチャルの建築空間/映像/音楽の関係性を更新する作品になると思っています。それらをまとめ上げたアルバムも年内に完成させる予定です。
今後国内でライブ活動も積極的に行っていきたいですが、同時に〈アルスエレクトロニカ〉や〈SXSW〉などでもパフォーマンスができるようにコンテンツの精度を高めていきたいと思っています」
aiverが影響を受けてきた音楽や、新しく出会った音楽の紹介は、どれもおもしろく、なおかつ納得なものばかりでした。特に彼らが挙げていたNNAMDÏやdraag meなどの前衛的なサウンドを奏でるアーティストとaiverは、共振し合っているように感じます。
最後のコメントにあるように、彼らは年内にヴァーチャルな建築空間/映像/音楽を相互に関係させた作品『6 rooms』をリリースするとのこと。TOWER DOORSが今回紹介したシングル“silver wave”も、そちらに収録予定です。楽しみですね。
海外の音楽の先進的な音楽に対して引けを取らない、稀有な作品を作っているaiverは、今後国内外で存在感を増していくことでしょう。ぜひ彼らのTwitterやInstagramをフォローして、その動向を追ってみてください。
RELEASE INFORMATION
aiver『6 rooms』
TRACKLIST
1. ego
2. powder milk
3. hfmk
4. inside out
5. 012
6. silver wave