スーサイドで活動し、16年に逝去したエレクトリック・パンクの先駆者。妻でもあるリズ・ラミアと95~96年にレコーディングしていた未発表の9曲が、発掘シリーズの第1弾として日の目を見た。叫び声と呻き声混じりのスポークンワードをはじめ、アラン・ヴェガでしかない世界がここに。甘美な“Samurai”と、インダストリアル調の2曲を挿んでオルガンとハープが鳴る“Breathe”で燻らせるのは、彼一流のロマンティシズムだ。