何と直球なタイトルだろうか。サックス奏者ローガン・リチャードソン、メセニーを迎えたブルーノートでのアルバムで注目され、続くローパドープに残した作品で完全にハードでシューゲなロックのダイナミズムを獲得した彼がロンドンの野心的レーベルwhirwindから発表した5作目。ジャズのイディオムを完全に脱した前作から更に幾光年、近年のBLM運動に呼応したテーマ設定と想像しつつもそのタイトルを裏切ることのない壮大なサウンドスケープ。レイヤードされたシンセの海を漂う孤高のサクソフォン、弦楽アンサンブルとのダイアログ、孤独に宇宙を彷徨った先の希望の光を描く大きな物語だ。