俳優としても活動するカナダ出身のTamara Lindemanのソロ・プロジェクト=The Weather Stationの最新作は臨場感溢れるフォーク・アルバムだ。Arcade FireやThe Nationalのプロデュースを手掛けたことのあるMarcus Paquinを迎え、更に音の幅を広げている。Joni Mitchellからの影響を感じるアーティスティックな気品あるアルトヴォイスと、クラシカルで耳馴染みの良いサウンドに大胆なストリングスを巧みに加えたサウンドが堪らない。また曲の後半に高まるダイナミズムと、仄かに漂うジャズのエッセンスに酔いしれる。まるで一本の映画を見ているかのように展開し、今年のフォーク・シーンの中でも好評を博す1枚になるだろう。