没後20年を迎えたペーター・マーク(1919-2001)のデッカ、ドイツグラモフォン、ウェストミンスター録音集成。定評あるモーツァルト、メンデルスゾーンにおける瑞々しい質感、時折ほの暗い陰影を覗かせる表現力に改めて聴き惚れる。またヴェルディの歌劇「ルイザ・ミラー」、パエールの歌劇「レオノーラ」(ベートーヴェンの「フィデリオ」と同じ筋書き)では豪華な歌手陣と合わせつつ、彫りの深い響きを展開。嬉しい驚きは過日逝去した巨匠フー・ツォンとのシューマンとショパン(第2番)のピアノ協奏曲(初CD化とクレジット)。詩情あふれるソロにマークがメリハリのきいたバックをつけている。