昨年暮れに出た都響との『第九』1990年ライヴが量感豊かな弾力に富む名演で、あらためてその名を高からしめたペーター・マーク。1994、95年にヴェネトの各所で収録されたARTSレーベルのベートーヴェン:交響曲全集も、孤高の巨匠の遺産のひとつとして欠かせない。今回、長らくの廃盤から新リマスタリングされて復活した。室内オケのサイズだが響きが浮つかず、動的で明瞭な筆致、弾力のあるリズム、失われることのない感興がもたらすベートーヴェンは懐古とは無縁だ。まるで修復された名刹のフレスコ画のような、新たな精彩が堪能できる。完全限定とのこと、絶対に買い逃したくないセット!
孤高の巨匠、ペーター・マークの長らく杯盤だったARTSレーベル〈ベートーヴェン:交響曲全集〉が新リマスタリング&完全限定で復活
Tobu Recordings