ジャマイカ移民の両親のもとロンドンで生まれ、現在は地元トロントで活動するシンガー。トキモンスタ主宰のレーベルと契約して放つ7年ぶりの新作は、90年代のUKレイヴ・カルチャーに着想を得て〈超モダンなエレクトロニック・ダンス・ビーツ〉を謳ったアルバムに。10年前から組んでいたKLSHがマシーンドラムとメインで制作し、ドラムンベース、UKガラージ、ニュー・ジャック・スウィングなどを現代解釈した高速で鋭いビートにひとり多重コーラスを浮遊させながらクールな歌声で斬り込んでいく楽曲はめっぽうソウルフルだ。ジミー・エドガー制作のトラップ調や気鋭MCのファラ・フォウクス参加曲など、アリーヤとも比較される妖艶な声を活かしたスロウも快演で、音楽そのものに没入させてくれる。