フューチャー・ブラウンの作品をはじめ、〈警察の暴力〉や〈架空のアジア〉などはっきりとしたテーマを掲げた作品を放ってきたファティマ・アル・カディリの3作目。今回は中世のアラブ女性の詩から着想を得たという内容で、前作との間に手掛けたサウンドトラックでの経験が反映されているからなのか、ベース・ミュージックからは少し距離を置いた、どちらかといえばエキゾティックでメディテイティヴな作品となっている。