ジェフ・パーカーのリリースをはじめAACMからポストロック、そしてと新世代ジャズまでシカゴにおける実験と開拓の精神の継承を証明するレーベル、インターナショナル・アンセムに更に注目すべき理由が彼女の存在だ。クラリネットを主に操るマルチ奏者かつシンガーで、エターナルズのデーモン・ロックのプロジェクトへ参加、サンズ・オブ・ケメットの最新作にも招かれている。リーダー作としては2枚目の今作でのインパクトは強烈だ。ベルリンのフェス実況で、根強く残る差別と偏見への怒りがAEOCばりのフリーな演奏とともにニーナ・シモンの如き存在感で放たれる。強く魂を揺さぶる作品だ。