80年代の国産アンビエントやポップスの再評価の文脈でも注目を浴びる音楽家が12年ぶりのソロ作をリリース。藤本敦夫、菊地成孔、類家心平らをサポートに迎え、ミルトン・ナシメントやジャズ・スタンダードなどのカヴァー6曲とオリジナルの5曲を展開している。手練れの演奏家を揃えながら極端に音数を絞ったアンサンブルによる静謐で繊細な音像が耳を捉えて離さない。自身のおぼろげな歌をフィーチャーした表題曲がことのほか美しい。