毎年夏になると必ず聞くアルバムが田村夏樹の2004年作『Ko Ko Ko Ke』だ。真夏の昼下がりにそのオノマトペのような独白と演奏による謎かけが醸し出す妖気が〈効く〉。恐らくこれまで聴いた全ての管楽器ソロの中で最も好きな作品で、これを超える演奏はそうそうないだろう、と思っていたのだが、これはその続編なのだろうか、だとしたら嬉しいのだが。御年70歳の節目にそのまんまタイトルの古希ソロ。巣ごもり生活の中で生み出された今回はピアノも弾いて鍋も叩いてみるけれど、どう聴いてもあの謎かけの続きだ。コ、コ、コ、ケ、コキっ、とオチが付いたのだろうか? はて、謎は謎のまま……。