役者活動も快調なシンガー・ソングライターの2年ぶりの新作。全編を彩るのは、できるかぎり生身の部分を曝け出したい、といった意気込みが張り付いたネイキッドな演奏と歌の数々。ドラマ「バイプレイヤーズ」の撮影現場で吹き込まれた“今夜もかろうじて生きている”を筆頭に、アコギは終始ざらついた響きを奏で、歌声は概してうっすら赤い血を滲ませている。圧倒的な臨場感と没入感が得られる7作目は苦くて渋い名演だらけ。