西海岸のラッパーのような風貌のアーティスト写真の強烈なインパクトに興味をそそられ一聴してみると、その演奏の巧みさと繊細なダイナミズムのギャップにやられた。2020年1月、スイスのチューリッヒで行われたライブを収録した本作は、ロックやブルースのフィーリングが感じられる“prayer for amerikkka pt.1 & 2”での彼女の力強いヴォーカルとトランペットのブロウや、“Theme 001”でのチャド・テイラー(ドラムス)が繰り出す複雑なビートとの絡みなど、エキサイティングなプレイと観客の熱狂をパッケージしたライブならではの魅力に溢れる作品だ。