ジェシー・ウェア、セイント・ヴィンセント、アーロ・パークス、ニルファー・ヤンヤなどの作品に関わったインヴィジブルのフロントマンが、ファースト・ソロ・アルバムをトランスグレッシヴからリリース。一言で表せば、艶めかしくも甘美なサウンドが耳に残る作品だ。シンコペーションを駆使したベースラインは心地良い横ノリで踊らせてくれるし、無駄のないプロダクションは精密である。ヒップホップ、ソウル、ジャズ、ファンクの要素が濃い折衷性から生まれるビートはどこかJディラ的。お気に入りの曲は“RTN”だ。ピアノとサックスの音色が際立ち、濃厚なジャズの香りを漂わせる。メロウなグルーヴは繰り返し聴きたくなる蠱惑的な中毒性をたっぷり含み、リスナーの心を掴んで離さない。