フリートウッド・マックの戦友、クリスティン・マクヴィーとの共演作から4年。その間、心臓手術中に声帯を損傷する困難に見舞われもしたが、こうして無事に新作が届けられた。その内容はというと予想以上に冴えまくりで、根っからのポップ・スタイリストな面と、とかく奇抜な音作りに没頭しやすいニューウェイヴ小僧の面が程良く共存、我の強さを際立たせつつも聴き心地の良さは抜群という高度な芸当を披露してみせる。往年の名調子を取り戻したかのような“I Don't Mind”など、渋さより無邪気さが目立つのも嬉しいし、独特なギター奏法を存分に堪能できる点も◎。この先は気持ち新たにバンドに戻って創作に励むのもいいと思うのだが……女帝の許しを得るのはやっぱりキビしそう?