LINDSEY BUCKINGHAM CHRISTINE McVIE
フリートウッド・マックの黄金時代を支えた噂の2人が作る、懐かしくも新しい音世界

 75年作『Fleetwood Mac』から始まるフリートウッド・マックの全盛期に才能を開花させた2人――リンジー・バッキンガム(ギター/ヴォーカル)とクリスティン・マクヴィー(キーボード/ヴォーカル)が初のデュエット作品『Lindsey Buckingham & Christine McVie』をリリースしました。そもそもの始まりはクリスティンが本隊へ復帰した2014年。ツアーのリハーサルを重ねていくうちにごく自然な流れで曲が出来ていったらしく、どこを切ってもマックっぽさが全開です。というか、ミック・フリーウッド(ドラムス)とジョン・マクヴィ(ベース)もサポートしているわけで、これはある意味、スティーヴィー・ニックス(ヴォーカル)抜きのマックの新作とも言えましょう。

LINDSEY BUCKINGHAM, CHRISTINE McVIE Lindsey Buckingham & Christine McVie East West/ワーナー(2017)

 跳ねたリズムに煽られてウキウキのフレーズを紡ぐアコギと、シンプルながらもフックがあって華やかかつドリーミーな歌メロを、たっぷり堪能できるこのアルバム。大作志向は皆無の小曲集っぽい作りも相まって、82年作『Mirage』みたいな聴き心地です。瑞々しさと引き換えに円熟味を手に入れたクリスティンの低めな歌唱も、力みゼロの余裕が感じられて素敵。余談ですが、79年作『Tusk』などを録ったヴィレッジ・スタジオでのレコーディングというのも、何だか浪漫を感じませんか?

 もちろん、ただ懐かしいだけには終始せず……。ハイムやトップス、ラナ・デル・レイにウォッシュト・アウト、そして今年に入ってアコースティック・ポップ化が止まらないマイリー・サイラスなど、見渡せばそこら中でマックのチルドレンを発見できる昨今。そう、本作は若いリスナーにもジャストで響くはずです。