POLLYANNAの伶菜ことササキ伶菜(ボーカル)と、四丁目のアンナのディスコこと飯島イクコ(作曲、鍵盤)によるユニット、Bampuk_Kahuk(バンプクカフク)が始動。初の作品となるEP『1st take』を配信でリリースした。
リード曲“complex movie”は映画をテーマにしたラブソングだが、ポップスとしてはかなり不思議な構成。かつ中国音楽、ボサノバ、クラシックなど世界中の音ネタが〈イッツ・ア・スモールワールド〉的に多数飾りつけられていて、聴く者は、例えばまるでお香とスパイスたっぷりな異国のチャイナタウンの裏通りのような場所へといざなわれてしまう。それもこれも、飯島による型破りな楽曲と、さまざまな楽器の使い手である福永健人の編曲によるものだと思うが、そこに伶菜の艶のあるお姉さん的歌唱が加わることで、自分もその多国籍な恋愛映画の中へと導かれ、そのワンシーンに参加しているかのような気分になれる。
飯島が作詞作曲した、夏の眩しい景色を描くしっとりナンバー“絶対嫌”と、伶菜が作詞作曲した、キュートさとアダルトさを併せ持つラブソング“すきごのみ”は、福永健人が中心人物の楽団aireziasが演奏全般を担当。カッコよさ、クールさ、かわいらしさも存分にありつつ、不思議でちょっと変な世界観はこの2曲にも共通して醸し出されていて、それがやたらとクセになる。2021年に突如として現れた〈超現実主義御利益恋愛音楽〉がテーマの2人組。美しくも不思議な音楽を求めている人はぜひ。