前2作と比べてもダウンホーム感覚が格段に向上しているし、歌声にも異なる種類の痛切さが感じられる。デルタ・ブルースの深奥部へと果敢に踏み込んでいった彼女を鮮烈にとらえるこの新作。冒険の同行者がTボーン・バーネットとは出来すぎな人選だが、かつてアラン・ロマックスが米国中を駆け巡って採集したフォークロアにも通じる血なまぐさく不吉なムードが最高で、たちどころに引き込まれてしまった。マジで劇烈。