フランスで第1回目のロックダウン措置が取られた昨年春に制作されたという3年ぶりの5作目。表題に本名が掲げられていることからも伝わってくるが、何よりもまず自分自身のために歌いたい、という切なる思いがそこかしこに貼り付いている。“Exister”など物柔らかで内省的な手触りのするミディアム~スロウ系が中心を成しており、いつになくナチュラルな表情を浮かべた彼女がこのうえなく魅力的に映るのである。