来日経験もあり、ここ日本でも人気を誇るノルウェーのシンガー・ソングライター。およそ2年半ぶりとなる新作は、シンセを多用してより80年代風のAORに重きを置いた前作に比べ、バンド・サウンド中心のシンプルでグルーヴィーな楽曲がアルバム全体で楽しめる。スライ風のファンキーな“Love Remedy”、ブルージーな(特にギター・ソロが最高!)“Just For A Little While”、スタックス風のホーンが心地良い“At My Best”などソウル、ファンク、ブルース、そしてゴスペル的要素が随所に感じ取れ、彼自身のルーツであるブラック・ミュージックにもっとも近づいた作品と言っていい。彼の持ち味であるソウルフルな歌声も渋みと凄みを増しており、ヴォーカリストとしての成長も聴きどころのひとつだ。