25年分の感謝を込めた歌の花束をみんなに届けたい――岡本真夜のデビュー25周年を記念したライブパッケージ作品『岡本真夜 25th“+1” ANNIVERSARY Concert 2021~Thanks a million~』からまず伝わってくるのはそんな切なる思いだ。

2021年7月3日、東京・大手町三井ホールで行われたアニバーサリーライブを収録した本作。タイトルに〈+1〉とあるのはこのライブが26年目となる昨年に1年越しで実現したことを意味する。延期の理由は言うまでもなく、世界中がコロナ禍に見舞われてしまったせい。中止の知らせに多くのファンが落胆し、悔しさを噛みしめたであろうことは想像に難くないが、どんなときも前を向こうよ、と語りかける彼女の歌にいつも励まされてきたんだったな、と思い返し、焦らずに来るべき日がやってくるのを待つことにしよう……そうみずからに言い聞かせながら1年という月日を乗り越えてきた観客たちが見つめるステージの上で、ひたすら素直な気持ちを伝えようとして真摯に音を紡いでいる彼女。そんな両者の静かながらも情熱的な心の交流を、今回リリースされた映像/音源は、実にビビッドに切り取っている。グレイテストヒッツ的とも言えるセットリストもお祝いイベントらしくプレミアム感満点だし、ライブに参加できず悔しい思いをした面々も大いに喜ばせることだろう。

あの日のことを改めて語ってもらうべく、岡本本人に会いに行った。

岡本真夜 『岡本真夜 25th“+1” ANNIVERSARY Concert 2021~Thanks a million~』 DREAMUSIC(2022)

 

お客さんに支えられながら行ったライブだったな

――いまあの日のことを振り返ってみて、どんなことが思い出されますか?

「お客さんを入れてのライブがかなり久しぶりでしたからね。でも飛沫防止のために声援は無しで拍手のみで、普段だったらいっしょに歌ったりできていたのにそれも禁じられていたことで、妙な緊張感がありました。最初は戸惑いというか、不安だったことをおぼえてます。

でもやっぱり25周年記念ライブですからね、セットリストもお客さんが聴いたことのあると思われる曲を集めていたし、楽しんで帰ってもらいたい、という気持ちはありました」

『岡本真夜 25th“+1” ANNIVERSARY Concert 2021~Thanks a million~』トレーラー

――みんなに感謝の気持ちを示したかった。その思いはどのパフォーマンスからもひしひしと伝わってきます。で、今回映像作品&音源となったあの日とふたたび向き合い、改めて何か気づいたことはありましたか?

「昔から変わらず〈緊張しい〉なもので、前半はなんか表情が硬いな、って思いましたね。それから強く実感したのは、お客さんに支えられながら行ったライブだったな、ってことですかね」

――歓声をあげられない制約がありながらも、大好きな曲がはじまると、ヤッタ!という感激する様子がみんなの背中から伝わってくる。そんなところもしっかりと記録されていました。

「そうですよね。普段よりも拍手を大きくやってくれたり、一生懸命アピールしてくれていましたね」