アンチェルの質実剛健で哀愁も漂う未発表ライヴをふんだんに盛り込んだセット。チェコ・フィルとのセッション録音にないドヴォルザークの第7及び第8交響曲の素晴らしい演奏にまず目が向くが、チェコ、ドイツ、フランス、イギリスの近現代音楽を含めた幅広い作品を緊張感溢れる引き締まった演奏で聴かせる手腕に脱帽。スーク“アスラエル”“人生の実り”、フェルステル“交響曲第4番”は名演。チェコ・フィルの弦楽の魅力が光るエルガー、ヴォーン=ウィリアムズもおすすめ。ノヴァーク、クレイチー、シュールホフ、カラベーチなど未体験の聴き手でも素晴らしい音楽体験に導いてくれることだろう。