最注目の古楽グループ、ラファエル・ピション率いるピグマリオンが、2006年設立以来の活動に大きな画期を刻む精魂込めた“マタイ”。心機を整えた筆致が音楽の一切に透徹、極めて精度の高い合唱がもたらす感銘の深さは筆舌に尽くしがたく、最終合唱は言うまでもなく、イエスが息絶えた後の心願の表現など、聴き手の内奥に届く表現で横溢する。父クリストフを継承し、語り口をさらに精錬させエヴァンゲリストの真髄を追求するユリアン・プレガルディエン、深い情感に溢れるイエスを体現するドゥグー。2人のソプラノ、ドゥヴィエル、ブラシコヴァー、メゾのリシャルドー、女声陣の深奥からの歌唱には幾度も静かに心を揺さぶられる。
ピグマリオン&ラファエル・ピション(Pygmalion & Raphaël Pichon)『J.S.バッハ:マタイ受難曲』最注目の古楽グループによる聴き手の内奥に届く表現が深い感銘をもたらす
RAPHAËL PICHON , PYGMALION BAROQUE ENSEMBLE , JULIAN PRÉGARDIEN , STÉPHANE DEGOUT
『J.S.バッハ:マタイ受難曲』
Harmonia Mundi
2022