世界でただひとりの吹奏楽作家であるオザワ部長の注目の最新作。1992年から29年間吹奏楽部顧問を務め、2022年3月に定年退職を迎えた佐藤淳先生と旭川商業高等学校吹奏楽部との〈軌跡〉と、退任前の最後の年に起こった思いもよらない〈奇跡〉を描いた感動作。長期取材を基に綿密に綴られた内容は、学生時代に吹奏楽部に所属していた者にとっては懐かしくもあると同時に、今、ここで起こっているかのような追体験ができて目頭が熱くなること請け合い。著者自身が吹奏楽部でサックスを担当してこともあって、表現がリアルなのが嬉しい。