クルト・マズアの生誕95年記念としてテルデックと旧EMIへ収録した全録音、70枚組のBOXが復刻された。これまでのワーナーでの復刻企画と同様、紙ジャケットに初出時のオリジナル・カップリングで収録されているのは嬉しい。旧EMIへ1974年に録音されたベロフとのプロコフィエフからスタートした音源は、1980年代半ばからはテルデックへと変わり、オケも1991年から音楽監督を務めたニューヨーク・フィルへと軸足が移っていくが、伝統的なドイツ音楽を伝承したマズアの功績は今後もっと評価されて良いだろう。特に晩年の録音はオケとのバランスも良く、どれも素晴らしい。