今年はラフマニノフ生誕150周年。今後関連CD等が発売される中で、本作にも注目されたい。ルガンスキーはラフマニノフの作品の録音をTeldec等のレーベルに多数残しているが今回50歳という節目の年に、30年ぶりとなる『音の絵』全曲の再録を完成させた。ピアノ協奏曲同様、難曲として挙げらえるこの作品に対し、全身全霊かけて演奏に挑んでいるのが感じ取られる。一曲一曲が情感豊かに、時に激しく、哀愁感たっぷりに奏でられている。聴き手の心情にそっと寄り添うかのようなその響きと卓越された表現力はルガンスキーならではの技巧力が煌びやかに輝きを増している。代表作の一枚にあげられる事は間違いない。