ベートーヴェンの第5交響曲が素晴らしい。ピリオド奏法にも長けたヴァイオリニストでもある指揮のツェートマイヤーの考え抜かれた緻密な解釈、特にヴァイオリン・セクションの表現が個性的。全体にキレがある名演となっている。バルトークの“ヴィオラ協奏曲”ではヴィオラのキリウスの鮮やかな音色が光っている。オーケストラは俊敏な音楽を聴かせている。ツェートマイヤーとキリウスによる夫婦共演のジョン・カスケンの“ヴァイオリンとヴィオラのための二重協奏曲「ザット・サトル・ノット」”はロマン溢れるソロ楽器の二重奏が印象的な約30分の作品。いずれも2014年のライヴ録音。