いよいよ2023年もラストスパート。2024年への年またぎは、最高の音楽とともにビルボードライブで過ごすのはいかがだろう。今回は12月31日(日)に東京&横浜で開催されるカウントダウン公演をレコメンドしたい。
ビルボードライブ東京ではアレステッド・ディヴェロップメントが出迎える。彼らは92年にファーストアルバム『3 Years, 5 Months And 2 Days In The Life Of...』をリリースし、90年代初頭のギャングスタラップの隆盛やニュースクールの流れに反した生演奏でのオーガニックな音像と、リーダーであるスピーチのコンシャスなラップで一世を風靡した。
彼らはザ・ルーツらと同様、ネオソウル前夜にヒップホップを生演奏のビートで提示した存在として当時のシーンに大きな衝撃を与えた。さらに結成の地である米ジョージア州アトランタは現在、トラップを輩出した地として知られており、彼らの出自は今思うと興味深い。なお、同地は日本のヒップホップクイーン、Awichが激動の2年半を過ごした場所でもある。
それにしても音楽関係者の証言や来日公演の回数の多さ、再結成時のEP『Da Feelin’』(2000年)がEMIミュージック・ジャパン(現ユニバ―サルミュージック)、10枚目のアルバム『Strong』(2009年)がcutting edge(avex内のレーベル)と日本での流通先が変動しながらも作品がリリースされていることから、日本人のアレステッド・ディヴェロップメントへの愛情は相当深い。その想いに対するリスペクトが、きっと日本でのステージには込められているのだと思う。
彼らの魅力は何といってもライブの迫力。5年ぶりの公演もきっとハッピーなフィーリングと体を揺らしたくなる重厚なグルーヴで観客をぶっと飛ばしてくれるはず。しかも全席グラスシャンパン付き。ヒップホップ50周年を祝い、2023年を締めくくる年越しライブは行かなきゃ損だ。