
K-R&Bを踏襲して日本語で歌う
――“Breeze”では日本語、“’Cause It’s Too Cold To Walk Alone”では英語で、それぞれスタイルの違うラップを披露されていました。
「特に“’Cause It’s Too Cold To Walk Alone”は、自分の引き出しにないアプローチで難しかったですね。直人が作ったビートのデモを聴いて〈ここは歌ってほしいの? 何してほしいの?〉と聞いたくらいです。返答は〈そこは……まぁ何かやってもらって〉でしたが(笑)。語りっぽくしながらもフロウを付けつつ、リフの調性に音程を合わせてラップしました。
“Breeze”に関してはK-R&Bのシンギングラップを踏襲したことをやりたいなと思っていて、うまく日本語のフィールに合わせてやった感じ。歌詞については個人的にゴスペル的な〈he〉や〈you〉という言葉を入れているけれど、リスナーの方には自由に聴いてほしいですね。“Who Is He?”も〈あなたにとってのheは誰?〉と問いかけたつもりですし」
――“Lemonade”は6/8拍子で、メロディのリズムがだんだんと4/4になっていくのが興味深かったです。
「友人は〈一番難しい曲〉だと言いますね。レコーディングの時も繰り返し録るなど苦戦しましたが、各メンバーのプレイヤーシップが一番輝いている曲です。僕たちにとって〈この感覚で作れば上手くいく〉という指標みたいな曲ですね。
ギターのリフも最初は違ったのですが、今のものに変えました。アルバム制作を1年半くらいやっていたので、自分たちの感覚も更新されていくんですよ。特に“Sugary”や“Clear Mind”は〈録り直したいけど、それもよくないよな〉と話し合った結果、そのままにしました。再RECしたのはシングルで出した3曲だけ」

僕らの音楽は聴いてくれる人と一緒に作るもの
――アルバムタイトル曲“From Dusk Till Dawn”については?
「最後に〈表題曲を作ろう!〉という話になって作りました。“Lemonade”がフィジカル的な部分を出し切った曲だとしたら、こちらの曲は〈知的かつ音楽愛を持って、色々な景色を見せる〉と考えてアレンジしています。
同じメロディと歌詞がずっと続くけど、それでも楽しませられる、曲のよさはメロじゃないよという気持ちですね。色々なサウンドスケープを見せて、最後は合唱の大団円で終わるという」
――1日も結局は〈夜が明けて日が暮れる〉の繰り返しですから、作品を締めていく流れにふさわしいと思いました。最後のチャントもミックスの効果か、土臭くなっていませんね。
「それならよかったです。僕は上智大学出身なのですが、早稲田生は〈土っぽい〉と言われると聞いたことがあったので(笑)」
――最後に“Write Me a Love Song”を置いて、リスナーに投げかける幕切れも興味深かったです。
「もともとは2、3年前に書いた僕の弾き語りの曲でしたが、バンドでもやっていたし、もうHALLEYの曲として捉えていますね。そこで、最後に弾き語りで収録して現実に戻るようなイメージにしました。
ミックスとマスタリングも含めて、プライベートに語り掛ける感じにしています。僕らの音楽はいつも聴いてくれる人と一緒に作るものでありたいと思っているので、そんなメッセージも込めています」
――てひょんさんはもともと弾き語りをされていたんですよね。
「そうですね。もともと母親がワーシップリーダー(賛美歌を演奏する際のリーダー)で、その影響で生まれてからずっと行っています。最初に歌ったのも教会でした。幼稚園の時、ピアノの先生に〈素敵な裏声だね〉と言われたことが歌に対する興味が芽生えた最初のきっかけだと思います。
ギターは、タイで暮らしていた小6~中1の時に人から借りて触ったのが出会いです。日本へ帰国後にギターを買ってもらった後に弾き語りを始めました。高1で自分の曲を書いて、高2くらいからは千葉のライブハウス・ANGAでライブをよくしてました。ANGAはパンクバンドが出てたのと、竹原ピストルさんがワンマンでよく来られていたのを覚えてます」
――教会に通いながら、ライブハウスに出入りすることで心配されたりしませんでした?
「そこは自由でしたね。意外と同じ教会出身のミュージシャンは多くて、例えばKenta Dedachi君も高校時代からの友達です。Kentaくんは当時からCCM(コンテンポラリークリスチャンミュージック)をカバーしてYouTubeで人気でしたね。でも教会で彼の活動を否定するような人はいませんでした」