ドラマや映画、舞台などで活躍する俳優・六角精児率いる六角精児バンド。本作は、内田勘太郎がゲストで参加した前作『そのまま生きる』以来、約4年半ぶり通算3枚目のオリジナル作だ。六角自身が作曲を手掛けたナンバーで聴ける人懐っこいメロディや、佐藤良成(ハンバート ハンバート)や伊藤大地(グッドラックヘイワ、ex. SAKEROCK)らが参加した温かなサウンドなどで構成されるカントリー~フォーク系のグッドミュージックの数々は、リピートを重ねていくほど心に染み入ること必至。なお、アルバムの最後ではかまやつひろしが70年に発表した名曲“どうにかなるさ”のカヴァーを披露しているので、こちらもお聴き逃しなく。
ザ・バンドへの深く屈曲した愛情が滲む“偽weight”で幕が開く3作目。谷口雄から春風亭昇太まで多彩な作家陣、佐藤良成や伊藤大地といった演奏家ら〈ともだち〉の運び込む空気が和気藹々とした雰囲気を作り上げているが、そのぶん歌の狭間から零れ落ちる寂寥感がより濃く映るのも特色であるかと。かまやつひろしの“どうにかなるさ”がこんなにハマる人もそういない。