今年再結成したスレイヤーのギタリストによる初のソロ作は、期待を裏切らぬ貫禄の出来映えだ。デス・エンジェルのマーク・オセグエダ(ヴォーカル)やスレイヤーのポール・ボスタフ(ドラムス)らが集まり、鉄壁の布陣で楽曲を強力援護。ケリーらしいザクザクしたリフを刻み付けるインスト曲“Diablo”で幕を開け、それ以降はスラッシーな勢いとミドルの重厚感を棲み分け、緩急に富んだスリリングな音色で襲いかかる。イーヴルな演奏はもちろん、マークはトム・アラヤが憑依したような荒々しい歌声を突きつけ、本家に迫るテンションの高さをアピール。燃え盛るメタル魂に背筋を正される一枚だ。