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“All Because Of The Moon”のプロモーションアートワーク。左がカルリーニョス

チリや韓国のクリエイターとネット経由でコラボ

――2023年に〈第1回 短冊CDの日〉のエントリーアイテムとしてリリースされたミニアルバム『All Because of the Moon, and his singles』は、チリのプロデューサーと制作されていますよね。どのように実現したんですか?

JUN PARKER 『All Because of the Moon, and his single』 Sello Casa Robot/Jun Parker Music(2023)

「私はコロナ禍の最中、ミュージシャンとしてのキャリアを本格的に始動させようとしていたんです。そこで、私がやりたいこと、私の音楽に共感してくれる人を探そうと思い、オンラインで世界中のプロデューサーやレーベルにデモテープを送りました。

そしてチリで音楽レーベル〈Sello Casa Robot〉を運営するプロデューサーのカルリーニョス(Carlinhos)と知り合ったんです。送った3曲のデモ音源からカルリーニョスが1曲選び、リモートでの制作を開始しました。何度もオーディオファイルを送り合い、やり取りを重ね、9ヶ月後に“All Because Of The Moon”として完成させました」

――オーストラリアで書かれ、チリでプロデュースされた、日本語のシティポップということですね。まさにオンライン時代ならではの音楽制作スタイルだと思います。

「そうですね、現にまだオフラインでカルリーニョスに会ったことがありません(笑)。カルリーニョスはキーボーディストで、チリのシーンにネットワークを持っています。彼の呼びかけで、チリのミュージシャンたちが演奏で参加しているんです。

7月7日にリリースするシングルの収録曲“Summer Silhouette”も、カルリーニョスと一緒に制作しています。また、アートワークは韓国のデザイナー、tree13(ナム13)が担当していて、さらにインターナショナルなコラボレーションとなりました」

“Summer Silhouette”のアートワーク

――そのニューシングル“Summer Silhouette”は、今年も〈短冊CDの日〉に合わせてリリースされますよね。

「ええ、タイトルトラックは日本人プロデューサーのRillsoulと制作したシティポップで、現在カルリーニョスとそのリミックスバージョンを制作しています」

 

オーストラリアの田舎町で生み出すシティポップ

――今年の4月には医療系の非営利団体、JAMSNET(Japan Medical Support Network)とホープ・コネクションによるチャリティイベントでライブをするなど、音楽業界の枠を越えた活動も展開されていますよね。

「あのイベントは、メルボルンに住む日本人が医師から直接、医療に関する話を聞ける機会を提供することを目的としています。メルボルンの日本人コミュニティは大きいですしね。より多くの人にアピールするために、音楽を取り入れたイベントにしたんです。入場料は全て国境なき医師団に寄付されました」

JAMSNETのチャリティイベントにて

――ライブ活動も活発に行っているんですか?

「最近は制作に集中していたのですが、これからはライブをもっと増やしていきたいと思います。7月15日(月)に横須賀市で行われる〈TANZAKU CD FESTIVAL 2024〉にも出演予定ですし、その後はオーストラリアで小規模なツアーを組む計画もあります」

――以前にも日本でライブはされているんですか?

「はい、下北沢ロフトのイベントに出演しましたし、群馬県高崎市や大阪府茨木市で、ローカルなミュージックフェスティバルにも参加しました」

〈茨木音楽祭2023〉にて

――日本とオーストラリアのオーディエンスの間で違いは感じますか?

「日本のオーディエンスは控えめで、音楽をより内省的に受け止め、鑑賞する傾向がありますね。私の音楽を聴いてどう感じたのか、一人一人に詳しく聞けたらといつも思います(笑)」

――活動の拠点は現在、どちらですか?

「1つはメルボルンですが、実はポートランドという小さな町も重要な拠点です。ポートランドはメルボルンから約400km離れており、人口は約10,000人。そのような田舎での生活が私の音楽に大きな影響を与えています。人が少なく自然が多いので、散歩をしながら詞を考えることがよくあります。田舎はノイズが少ないですし、自分自身を見つめ直し、創造的なインスピレーションを得るには最適な環境だと思います」

ポートランドの景色

――田舎町から生み出されるシティポップ、というのも面白いですね。今後もオーストラリアに拠点を置き続ける予定ですか?

「ええ、今のところはそのつもりです。ただ、拠点を日本に移す可能性もありますね。ミュージシャンとしてのキャリアにおいて、チャンスがあれば柔軟に対応していきたいと思います」

――日本人アーティストとのコラボレーションの可能性もありますか?

「もちろんあります。同世代の日本のアーティストや、私が成長する中で聴いてきたアーティストともっとコラボレーションしたいと考えているんです。そして、そのような機会があれば、いつでも受け入れる準備ができています。今後も多くの人々と繋がり、自分の音楽を進化させていきたいです」

 


RELEASE INFORMATION

JUN PARKER 『Summer Silhouette / If You’d Only Known』 Sello Casa Robot/Jun Parker Music(2024)

リリース⽇︓2024年7⽉7⽇(⽇)
品番:ANCP-1989
価格:1,320円(税込)

TRACKLIST
1. Summer Silhouette
2. If Youʼd Only Known

 


PROFILE: JUN PARKER
神奈川に⽣まれ、現在はオーストラリアを拠点に活動中のネオシティポップアーティスト。⼩学⽣時代、同年代が最新J-POPにハマる中、⾃宅で⾒つけた懐メロのカセットテープをきっかけにジャパニーズ70s、80sミュージックに⼼酔していく。15歳で単⾝オーストラリアに渡り、バスキングを中⼼に⻑い下積み期間を経て2017年にシティポップや1970、1980年代の⾳楽のカバーを中⼼とする⾳楽系YouTuberとしてデビュー。2022年にはビクトリア州地⽅⾃治体のバックアップを受けながら“つつまれながら(Embracement)”で配信デビュー。その後、2023年3⽉には佐藤清喜をプロデューサーに迎えて“Dancing In The Dark”をリリース。2023年7⽉の〈第1回短冊CDの⽇〉⽤にリリースした“All Because Of The Moon”では南⽶チリでレコードレーベル〈Sello Casa Robot〉を運営するカルリーニョスとの共作でシティポップをグローバルな視点から再構築。オーストラリアの主要全国ラジオ、ABCやSBS、トリプル・Jでフィーチャーされ、ランス・リヨンのラジオ局とのタイアップを通じて初のヨーロッパ公演も成功させた。AORやソウルなどの影響も受けているジュンは、⽇本的センチメンタリズムをグルーヴに絡めて昇華させ、ジャパニーズシティポップを新しい境地に導いていく。
オフィシャルサイト:https://www.junparker.com/
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