結成13周年を迎えて二丁魁はさらに輝きを増していく! アイドルの王道に挑んだキラキラなニュー・シングルと現場で育ってきた名曲の数々を現体制でアップデートした豪華なベスト・アルバムが同時リリース!
〈ゲイでもアイドルになれる〉をコンセプトに、セルフ・プロデュースで独立独歩の活動を続けてきた二丁目の魁カミングアウト(以下、二丁魁)。結成13周年となる今年4月には初の全国流通作品となるファースト・シングル“あの頃、僕ら若すぎた青春”をリリースして新しい青春の一歩を踏み出したが、その勢いに乗って早くも届いたのが、セカンド・シングル“キラキライクストーリー”と、代表曲を中心に現在の4人体制で新録したベスト・アルバム『Best As Yesterday』だ。グループにとって初のチャレンジが詰まった両作品について4人に話を訊いた。
アイドルとしての自信
――まず、初めてのシングルとなった前作“あの頃、僕ら若すぎた青春”の反響はいかがでしたか?
ミキティー本物「初めてのシングルということでファンもすごく喜んでくれたし、取材や現体制でのリリイベを含めて初めてのことが多くてすごく濃い時間でした。オリコンのランキングに入ることもできて、大きく言えば〈夢がひとつ叶った〉期間でもありましたね」
ぺいにゃむにゃむ「毎日チャートをチェックしていました(笑)。ファンの方から有線で曲を聴いたという報告も受けたし、有線がきっかけで私たちのことを知ってくれた人もいたみたいで」
筆村栄心「すごく広がっていることを感じましたし、北海道の実家からもCDやインタヴューの掲載誌を送ってほしいと言われました」
日が紅「僕のお母さんもめっちゃ喜んでくれて、親戚にも報告してくれたみたいです。また一歩踏み出した感じがして、自信も付いたし、誇らしくなりました」
――そんな状況で届けるニュー・シングル“キラキライクストーリー”は、多田慎也さん作曲の煌びやかなポップ・チューンになっていますね。
ミキティー本物「ファースト・シングルはいつもの二丁魁らしい曲にしたくて、私が作曲した“あの頃、僕ら若すぎた青春”を選んだのですが、今回は新しいことをしたくて、MVや衣装を含めて〈ザ・アイドル〉な曲にしちゃいました(笑)。いままではいわゆるアイドルっぽい曲を避けていたんですよ。〈うちらがブリブリなことをやっていいのかな?〉という気持ちもあって」
ぺいにゃむにゃむ「憧れはあったけど、それこそ私たちはセルフ・プロデュースで活動しているので、こっぱずかしいところがあって(笑)。でもいざやってみたら、自分たちにもこういう一面があることに気付いたし、〈やっていいんだ!〉と思いました」
日が紅「僕はキャピキャピするのはあまり得意ではないんですけど、新しい自分が出せてすごく嬉しかったし、ライヴで披露したらみんなの視線がすごくキラキラしていて。〈僕はいまアイドルなんだ!〉という自信が湧き出てくる楽曲です」
過去の曲へのアンサー
――二丁魁の歌詞はいつもミキティーさんが書き溜めているスマホのメモが元になるというお話でしたが、〈キラキラ〉〈キライ〉〈ライク〉を引っ掛けたこの曲はどんなきっかけで生まれたのですか?
ミキティー本物「私自身も大切な人を思い浮かべながら歌詞を書きました♡(笑)。なので、みんなもそういう大切な人のことを思い浮かべながら聴いてほしいです。〈好き〉という感情にフォーカスしたら、その背中合わせには〈嫌い〉があるし、誰かを嫌いなときは自分のことも嫌いになるということに気付いたところから書きはじめて。メモの段階ではもっと暗い内容で、答えが見つからなくてずっとお蔵入りしていたんですよ。でも、今回の曲を聴いたときに〈キラキラドキドキ〉をテーマにしようと思って。前よりも自信がついたいまなら、昔の少し寂しい感じのする歌詞もキラキラさせられるんじゃないかと思って、過去の曲へのアンサーも詰め込みました。例えば〈あの日の景色〉という歌詞は、“三原色カタルシス”(2017年)の〈キレイ キレイ なこの景色も いつか忘れてしまうなら〉という歌詞と繋がっているし、ラストの〈ひとつ ふたつ みっつ よっつ〉の部分は“ひふみよ”(2023年)と繋がっています」
筆村栄心「僕は〈いくつの空 数えていけるかな?〉というパートが好きなのですが、そこも“病める時も 健やかなる時も”(2018年)で僕が歌割りを担当させてもらっている歌詞〈ねえ 空はこんなにも穏やかで〉とリンクしているように感じて」
ミキティー本物「正解(笑)」
日が紅「〈キッカケなんてあってないようなもの 好きな理由 言葉に出来ないのは当たり前〉という歌詞もファンの方からすごく反応があって。その次にある〈好きと“努力”は正反対にあるもので〉も、〈好き〉の反対は〈嫌い〉だと思っていたんですけど、ミキさんに説明を受けてハッとしました」
ミキティー本物「好きになることは理屈ではないし、そこに努力はないんですよね。〈努力〉というのは誰かを好きになってから必要になるものだと思うので、こういう歌詞にしました」
ぺいにゃむにゃむ「確かに! 私は〈結局 そんなこんなで一緒にいるのかな〉という歌詞がすごく好きで。これはつまり愛じゃん!って思うし、〈その“結局”の中に数えきれないストーリー〉というのも長く活動しているからこそすごくわかります」
ミキティー本物「この〈結局〉の中には、いままでの私たちの何もかもが入っているんですよね。別に理由なんか必要はなくて、なんだかんだで一緒にいるのかな、結局、っていう。その〈結局〉がいちばん大事な気がして」
日が紅「僕も弟とケンカして、弟のことが嫌になったときがあったけど、そんな自分のことが嫌になるんですよね。結局は他愛もない話で仲直りして、家族愛に気付いて。そんなふうに誰の経験にも当てはまる、いろんな人に届く曲だと思います」
お守りのような曲
――カップリングはRYO-Pさん作曲・編曲による“つよくやさしくなりたい”。爽快感がありつつ、二丁魁には珍しくやさぐれた言葉遣いが入った曲です。
ミキティー本物「私は汚い言葉を使う人が嫌いで、ここまできつい言葉を歌詞で使ったことはなかったので、この曲も私の中では新しい挑戦でした。これは友達とケンカしたときのモヤモヤした気持ちを歌詞にしようと思って、書き殴ってその場でみんなに送ったら、〈え、こんなこと歌って大丈夫?〉みたいな反応でした」
筆村栄心「目に入るワードが強かったので最初は衝撃的でした。でも、僕は仮に〈ふざけんな〉と思ったとしても口にできないタイプなので、自分が言葉に発せない心の声の歌のようにも思えて。二丁魁を好きな人は、生きづらさを感じている方が多いと思うのですが、この曲はみんなが抱えていることを代弁してくれる曲だと思います」
ミキティー本物「最初は本当に〈ふざけんな〉という気持ちで書いていたけど、書いているうちに相手だって私に思うことがあるだろうし、歌詞に〈特大ブーメラン〉とあるように、汚い言葉は結局自分に返ってくるものだと思って。私もメンバーやスタッフにきつい言い方をしてしまうことはあるし、SNSでもなんでも、言葉を発する前に一呼吸おいて、その一言を吐き出すか飲み込むかを考えたほうがよいということを思い出させてくれる、ある意味、自分にとってもお守りのような曲です」
ぺいにゃむにゃむ「この生々しさが共感を生むと思うんですよ。生きていたら誰でも〈ふざけんな〉と感じることはあるし、この曲は攻撃的なまま終わるのではなく、自分の中でスッと腑に落ちて終わるので」
歴史と変化が感じられるベスト
――そんなシングルと同時リリースとなるのが、過去曲を現在の4人で歌い直した新録ベスト『Best As Yesterday』です。代表曲“青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ”(2017年)をはじめとする全15曲が収録されていますが、皆さんの思う本作の聴きどころは?
ミキティー本物「二丁魁がどんなものなのかがわかる15曲を選んだつもりですし、ずっとライヴで歌ってきている曲ばかりなので、歌をなるべく修正しないようにしていて。ハモリもいままでは機械で加工して作っていたのを、今回は私と紅が生の声でハモを入れているので、そこは注目してほしいですね。あとはミックスも全部やり直していて、当時は知識や経験がなくてうまく伝えられなかった〈こういう音にしたい〉という音になっています」
ぺいにゃむにゃむ「聴き比べたらすぐわかると思いますけど、私は昔と歌い方が全然違っていて。昔は歌のことなんて全然知らなかったけど、いまは腹式呼吸もできるようになって、歌い方や込める想いも年を増すごとにエッセンスが加わっているので、そういう部分でも歴史を感じてもらえると思います」
日が紅「僕は“ノスタルジスター”(2017年)がお薦めです。故郷や昔のことを思い出して切なくなるような曲ですけど、もともとの音源になかったコーラスが冒頭に加わることで、以前とは違うフワッとした何かに包まれるような感覚になれるので」
筆村栄心「僕は“病める時も 健やかなる時も”を聴いてほしいです。この曲は朝に聴くと、いつもより自分のことを大切にできる曲だと思うんです。自分のことを大切に毎日を一歩一歩進んで行くことで、きっと自分のなりたい姿になっていける。そんなイメージのある曲なのでぜひ聴いてほしいです」
ミキティー本物「私は正直、ベスト盤を出すと過去の作品と比べられるだろうから、あまり勇気が出なかったんですよ。今回は“キラキライクストーリー”も急にテイストを変えてキラキラな感じで歌うのが怖かったし、“つよくやさしくなりたい”もここまで強い言葉をどう受け止められるかが不安で。でも、私はもう何を言われても負けないと決めたので、みんな好きに反応してもらえたらと思うし、“つよくやさしくなりたい”の歌詞にあるように、いろんな感情が沸いても一度言葉を選んで私たちに伝えてもらえたら嬉しいです」
――早くも2025年の2月3日にはZepp Shinjukuでのワンマンも決定していますが、もう次の動きも考えている?
ミキティー本物「サード・シングルまではセットで考えているので、年内か遅くとも年明けにはもう1枚シングルを出すつもりです。楽曲の構想や誰に作ってもらうかは大体決まっていて。また新しい二丁魁を見せられるんじゃないかと思っています」
二丁目の魁カミングアウトの2024年のファースト・シングル“あの頃、僕ら若すぎた青春”(GAY RECORDS)。

