歌を通じて、生や愛の意味を思索してきたシンガー・ソングライターの2作目。集大成的な内容の初作を経て、今回はみずから〈幸せ〉と呼ぶ結婚生活、近年の戦争などに向き合ったいまの彼女の眼差しが貫かれている。チェンバー・ポップを基調にした厳かで優美な音作りに見えるのは、怒りや悲しみをないがしろにすることなく、それでも丁寧に暮らそうとする人々の姿だ。