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Gimgigamとのコラボや生音の〈供養〉で積み重ねたもの

――GimgigamさんとのコラボレーションEP『Wonderland』(2023年)の影響もあるのではと予想していましたがいかがでしょう?

根津「あると思います。Gimくんとは2022年6月に出会ったのですが、今作に入っている曲で、もともとスケッチがあったものは同じ2022年にできたものが多いよね」

井上「“fruit”、“metro”はサポートメンバーと一緒に入ったスタジオでのセッションのスケッチが元になっていますね。“escape”はGimくんとのEPを想定して作曲し、その後にバンドでスケッチを固めた曲です」

根津「その流れが今に辿り着いていますね。GimくんとはTOKAのコライトセッション(〈TOKA Songwriting Camp 2022〉)で出会ったんですけど、彼は独特で、でも柔軟で、今までに出会ったことのない才能でした。彼に出会ったことによって、私のメロディーや歌詞の世界観が補強された気がします。

それにGimくんと井上くんの作るトラックには通じる部分があって、例えば“violet”にある無国籍感もそう。〈あ、こういうビートでも歌える〉って自信に繋がったし、楽しむキャパが広がった感覚があります」

――同じ2023年の作品で言えばEP『Δ』は生音に振り切った作品でした。

井上「あれは生音供養というか(笑)。バンド結成時の初期衝動で作った曲は今作りたいものの温度感と合わないけど、音源としてリリースされていないままだったのは不自然に感じていたんです。『Δ』に収録した“aurora”も“highway”も結成して最初に作った曲で、それを最近リリースしていた生音の曲(“silky”、“habilabi”)と合わせてパッケージして、これまで積み上げてきたものを表現しました。

あそこで生で録ることにいったん区切りをつけたというか、喉の奥につっかえた小骨を抜いて次作に向かおうとしていたんです」

――今作はギリギリの制作だったと言っていましたが、準備は着々と進んでいたんですね。

根津「意外に長い期間、ちょっとずつ進めてきた感覚ですね。自分たちが納得できるよう少しずつ積み重ねてきました」

 

リスペクトする友人と向上していける関係

――そうして出来上がった『liquid city』は最後に“keep (outro)”という曲がある通り構成にもこだわりを感じます。

根津「私はアルバムを作るときにいつも作品の世界を映像化するんです。字面だけではなく、映画のようなものが頭の中にある。だからどのアルバムにも表現する時間帯があるんですが、今回は夜中から朝までを描いています」

井上「後半の“daybreak”は明け方だもんね」

根津「“metro”は朝まで遊んで踊り明かして、という曲なので、“metro”でアウトロに向かうのが一番美しいかなと」

――ゲスト(A.G.O、熊井吾郎、Peggy Doll、Mori Zentaro)はどのような経緯で決まりましたか?

井上「熊井さんは大比良瑞希ちゃんのサポートを始めた2016年に出会って、以来ずっとお世話になっていますね。柔らかい人で、こだわりもあって、意見をしっかりくれます」

根津「一番付き合いが短いのはPeggy Dollくんかな。前作を作っているときA.G.Oくんにego apartmentを教えてもらって衝撃を受けて。コンタクトをとって仲良くなりました」

井上「僕らは最小人数でやっているので、関係値が友達のままいっしょにやることが多いんです。でも友達だからこそ気軽に頼むわけではなく、いっしょに作りたい部分、やってもらう意味を明確にしています。それは友達とやるからこそ一番気をつけているところですね」

根津「互いにリスペクトがあるのが大切だと思います。互いに向上していける関係性というか。今回関わってもらった人の数は少ないんですけど、それぞれすごく意味がある」