
大切なのは表現、手段は何でもいい
――シティポップには定義がないですよね。chao!さんは、ジュンさんが今回リリースされたシングル“Tonight”に寄せたコメントの中で、〈本来のシティポップのあるべき姿がそこにありました〉と言及しているのが印象的でした。chao!さんにとっての理想のシティポップとは何ですか?
chao!「先ほど話したように、歌詞もシティポップ特有の表現がありますし。他にはコード進行とシンコペーション※ですかね。ギターで展開を作っていかないところも魅力です」
――コメントの中で、〈R&BやHIPHOPもシティポップと捉えることに疑問を感じる〉とも仰っていました。確かに、定義がないだけに、拡大解釈されている部分もあるのかもしれません。
chao!「日本だと音楽って〈おしゃれか、そうでないか〉で二分されがちだと思うんですよね。その中で、シティポップが〈おしゃれな音楽〉として、他のジャンルと一緒くたに扱われている傾向はあると思います」

――ジュンさんは今の時代に合ったオリジナリティのある表現を追求して、〈ネオシティポップアーティスト〉を名乗っています。その〈ネオ〉の部分についてはどう思いますか?
chao!「進化していくことについては全然肯定的です。伝統的な意味でのシティポップと、進化系の〈ネオシティポップ〉で2つあればいいと思うんですよね」
――chao!さんも〈何か新しいものを生み出してみたい〉という野心はありますか?
chao!「あります。音楽についていうと、昔は今と機材が異なるので、昔の音を目指しても超えるのが難しい。今は全てコンピューター上で作曲できるようになったから、昔より音がいい、とは限らないですから。だけど、イラストに関していうと、ツールの技術の向上が作品のクオリティーの向上により直結していると思います。イメージとしては、〈80sに現代のツールがあったらどうなるのか〉と考えて制作してます。そういう意味で、昔の作品を超えられるかもしれない、と考えています」
――仮にシティポップが流行っていなかったらどうしていたと思いますか?
chao!「問題ないと思います。デビューするまでの間、さまざまな表現スタイルに挑戦しましたし、引き出しはたくさんあります。『チェンソーマン』みたいな絵も好きですし(笑)。なのでその時に流行っているものがあって、自分もそれを描きたいと思えるモードだったら、路線変更も全然アリです。大切なのは〈表現〉であって、その〈手段〉は何でもいいんですよね 」
ジュン「すごく分かります。どんな時代・環境であったとしても、〈音楽を通じて自分を発信していくべきなんだ〉と、自分の中で確信が持てるようになったんです。これはやるべきことなんだって」

過去と今を繋ぐネオシティポップ
――表現への姿勢も、音楽の好みも共通点の多いお2人ですが、どのようにコラボレーションが実現したんですか?
ジュン「普通にインスタで連絡しました(笑)。chao!さんのセンスを信頼していましたし、本当に以心伝心で、全てがトントン拍子で進みました」
chao!「ジョン・レノンが〈話すことは、最も遅いコミュニケーションの手段だ〉、〈音楽の方がずっといい〉という発言をしているんですけど、まさにそんな感じです。話し合いを重ねたりといったことはせず、“Tonight”を何回もリピートしながら描きました。プールもすぐに思い浮かびました 」
ジュン「chao!さんのアートワークにインスパイアされて、MVもプールで撮影したんですよ」
――結果的に音楽・アートワーク・MVに統一感が感じられます。
chao!「ローファイさを残しつつ、ドレッシーなムードも漂っていていいMVですね」
ジュン「今回若手監督の真田大誠さんにMVの制作をお願いしたのですが 、あえて昭和を知らない人に、このような世界観を表現してもらうのも、過去と今を繋ぐようで面白いと思ったんです。なので、シティポップを知っている人も知らない人も、世代を問わず楽しんでもらえたらと思います」

RELEASE INFORMATION
リリース日:2024年11月28日(木)
配信リンク:https://ffm.to/groovewithtonight.OTW
TRACKLIST
1. Tonight (Short Edit)
2. All Because Of The Moon
3. Tonight (Extended)
4. Tonight (Instrumental)
PROFILE: JUN PARKER
神奈川に生まれ、現在はオーストラリアを拠点に活動中のネオシティポップアーティスト。小学生時代、自宅で見つけた懐メロのカセットテープをきっかけに同年代が最新J-POPにハマる中、ジャパニーズ70s、そして80sミュージックに心酔していく。15歳で単身オーストラリアに渡り、バスキングを中心に長い下積み期間を経て、2017年にシティポップや70、80年代の音楽のカバーを中心にした音楽系YouTuberとしてデビュー。2022年にビクトリア州地方自治体のバックアップを受けながら、“つつまれながら(Embracement)”で配信デビュー。その後、2023年3月に佐藤清喜をプロデューサーに迎えて“Dancing In The Dark”をリリース。2023年7月の第1回短冊CDの日用にリリースした“All Because Of The Moon”では、南米チリでレコードレーベル〈Sello Casa Robot〉を運営する、カルリーニョス(Carlinhos)との共作でシティポップをグローバルな視点から再構築。オーストラリアの主要全国ラジオ、ABCやSBS、Triple Jでフィーチャーされ、ランス・リヨンのラジオ局とのタイアップを通じて初のヨーロッパ公演も成功させた。AORやソウルなどの影響も受けているジュンは、日本的センチメンタリズムをグルーヴに絡めて昇華させ、ジャパニーズシティポップを新しい境地に導いていく。
オフィシャルサイト:https://www.junparker.com/
Instagram:https://www.instagram.com/junparkermusic
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PROFILE: chao!
日本人イラストレーター。アメリカ・ヨーロッパ・アジアなど世界各国の企業のアートワークを手がけるほか、日本ではファッションブランドやカフェ、ミュージシャンなどとコラボレーションを行う。また、音楽・イラスト・映像全て手がけるマルチアーティストとしても活動中。
オフィシャルサイト:https://www.chao-illustrator.com/
Instagram:https://www.instagram.com/chao_illustrator/
X:https://x.com/chao_artworks
YouTube:https://www.youtube.com/@OTOMO-cx5rn
