「一緒に逃げよう。この生きづらい世界から」高校のマドンナで美少女の楠ノエルと冥い眼をして影を慕う文学少年の遠山詠心。同級生ふたりが出逢い、互いに重すぎる生まれ出づる悩みからの解放を目指し、〈心中〉を決意して北へ北へと恐山へ向かう。詠心は古屋兎丸を想起させる風貌。希死念慮を抱いていたであろう若かりし頃の想いを今も抱き続け、この作品を描かざるを得なかったのではないかという強烈な思念を感じながら読了した。果たしてふたりは決心したように心中できるのか。この世に生きづらさを感じている若者にこそ読んで欲しい作品だ。軽く純愛などと言いたくなくなる、危うくも美しき稀有なる名作。オールカラー作品。