(左から)Zum、Ofeen、Hiyn、Rosa、Sho

メンバー全員が2003年生まれ、現役大学生を中心に構成された5人組フューチャーソウルバンド、luv。90sのブラックミュージックをベースにSuchmos、SANABAGUN.、Yogee New Waves、cero、D.A.Nといったバンドの影響を色濃く感じさせるサウンドで、結成1年でメジャーデビューを果たした。メジャーデビュー曲“Fuwa Fuwa”が台湾のSpotifyバイラルチャートトップ3にランクイン。1月4日には日本より早く台北で初のワンマン公演を行い、チケットはソールドアウト。3月からは初の全国ツアーを行うことが決まっており、国内外で急速に支持を広げている。

彼らが今回リリースするファーストミニアルバム『Already』の先行シングルは“Send To You”。銭湯を舞台にした恋愛ソングで、ソウル × J-POPなluv流の歌ものだ。他にも宇宙をテーマにメンバー5人の自由なプレイヤビリティが爆発した“Ozone”やluvというバンドの核が凝縮されたメロウなバラード“LUV”など8曲が収録されている。ポップス色が強い楽曲にもフリーキーな楽曲にもluvらしさがしっかりと込められている。5人に『Already』について話を聞いた。

luv 『Already』 ワーナー(2025)

 

ポップなダンスチューンだが独自性が光る“Send To You”

――『Already』はどんな作品にしようと思ったんでしょう?

Hiyn(ボーカル&ギター)「現段階の僕らのやりたいことをやる、というのに加えて、これからluvが大きくなるためのミニアルバムにしたいなと思いました」

――一番ポップス色が強い“Send To You”が先行シングルです。

Hiyn「僕がたくさん曲を作った時にできたデモが元になっている曲なんですが、スタッフの方の感触が良かった曲ですし、一番マスに届く曲なのかなと思っています。僕なりの歌もの、という認識かもしれません。でも聴く人によっては気持ち悪く感じるようなことも大分してますね(笑)」

Zum(ベース)「デモの時から歌詞が付いていて、銭湯で踊る曲がリード曲になるのは面白いなと思いました。コードやリズム感には技が垣間見えるけど、すごくポップでもあるので素敵な曲だと思います。

ベースに関しては、ディスコの定番のベースラインに自分らしいフレーズを入れ込むことを意識しました」

Sho(ドラムス)「僕は、〈こういう風に叩こう〉というのを事前に考えていたのに、録音当日全部忘れて焦りました(笑)。だからこそアドリブ的なプレイが点在してて、そういうやり方を身に付けられたのは結果的に良かったのかなと思います」

Rosa(キーボード)「テーマが銭湯なので、浴槽に光が当たってキラキラ揺れてるようなイメージの音色でキーボードやピアノを弾きました。曲にしっかり馴染む温かい音色というか。一番こだわって音色を選んだ曲だと思います」

Hiyn「ギターや上物とキーボードの音域が被るので、どう共存したらいいかということが問題だったんです。そこを、Rosaが譜面を書いてくれたりして、しっかり言語化してくれました。

最初はかなりのっぺりしててインパクトがない曲だなと思ったんですけど、結果ナチュラルに転調できて盛り盛りな曲にできたと思います」

――そうやってバンドでアレンジしていく中で、どういう曲にしたいと思っていたのですか?

Hiyn「解釈としてはダンスチューンで、どうやったらわかりやすく広いリスナーに届けられるかという意識がありました。個人的にはサビよりもBメロが大事だと思ってて、各セクションごとのBメロの最後は全部決めが違って、それに合わせて歌詞も変えています」

Ofeen(DJ)「いろんな試行錯誤をする中で、初めてトークボックスを使いました。納得いくアレンジにできたので良かったです」