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〈歌〉は人生に寄り添ったり、夢を叶える手助けをしたりするもの

――今回のベストアルバムにはリード曲“Never-ending”をはじめ、“ヒラヒラ”、“ばいぶれーしょん”と新曲も収録されています。

「シングルベストではあるんですけど、新曲があったほうが幅が広がるし、ツアーでも新しい曲を歌いたくて。こちらからイメージをお伝えして、たくさんの候補の曲のなかから〈これを歌いたい〉というものを選ばせてもらいました。3曲ともすごいクオリティだったんですけど、アーティスト手越祐也の今の立ち位置や、〈何を伝えたいのか〉ということ、あとはMVや〈オーディエンスはどんな曲を聴きたいだろう?〉ということを加味して、リード曲は“Never-ending”だなと。

歌詞がめちゃくちゃ自分っぽいんですよ。さっき話したようにいろんなことに真摯に取り組んできて、不可能を可能にして。そうやって切り開いてきた自負があるし、日本の社会と芸能界をもう1回明るく、ポジティブで夢のあるものに変えていきたいっていうのが僕の目標なんです。そういうことも踏まえて、“Never-ending”のメッセージは今の自分にぴったりだなと」

――“ヒラヒラ”はロマンティックなラブソング、“ばいぶれーしょん”はジャズのテイストを取り入れた楽曲です。

「どちらの曲もすごくキャッチ―だし、ステージで歌っている自分の姿が想像できたんですよね。照明や演出を含めて、ライブのイメージが浮かぶ曲を作品にしている感じなので。

特に“ばいぶれーしょん”は、今までの自分の曲のテイストとはまったく違っていて。ソロアーティストとして4年経った今だからこそ、こういう楽曲を歌いこなせるのかなって思いますね。年齢を重ねて、いろんな経験を重ねてきたからかもしれないですね」

――ロックサウンド、デジタルサウンドで、高音を響かせるイメージも強いですが、こういう大人っぽい表現もいいですね。

「僕も以前は〈とにかくキーを高くしたい〉みたいな時期もあったんですよ(笑)。〈どうだ!〉みたいな気持ちもあったんですけど、だんだんと〈『歌』って、そうじゃないな〉と思うようになったし、聴いてくれる人の心にダイレクトに訴えかけて、その人の人生に寄り添ったり、目標や夢を叶える手助けをしたりするものだなって。“ヒラヒラ”も“ばいぶれーしょん”もキーはけっこう高いんですけど(笑)、あえて声を張らず、引き算みたいな感じで歌っていますね」

 

幸せを感じづらい現代に投げかける“wake me up”の歌詞

――そして“wake me up”は、手越さん自身が作詞を担当。ファンの皆さんには既にお馴染みの楽曲ですが、この歌詞を書いたときはどんな思いがあったんですか?

「フルマックスにストレスがたまっていた頃でしたね(笑)。ちょうどコロナの時期でもあって、納得できないこともたくさんあって。そのときの自分の感情をワーッと書いたのが“wake me up”。

いろんなギミックも入っているんですよ。たとえば、〈世界の果てまで〉を入れたり、最後に〈強く握った君と僕の絆〉という歌詞があるんですけど、2024年にリリースしたミニアルバムのタイトルが『絆-KIZUNA-』なんです。そこでリンクしたんですよね。もちろん未来のことはわからないので、すごい偶然性が詰まった曲になったなって思っています」

――“wake me up”は今もライブで歌い続けていますが、楽曲に対する思いは変わってきましたか?

「すごく変わりましたね。作ったばかりの頃は〈このやろー!〉みたいな感じだったんですけど(笑)、今はもっと俯瞰しているというか。僕だけじゃなくて、今は幸せを感じづらい時代だと思うんです。みんな何かしらの不満やストレスを抱えていると思うので、ライブでは〈いろんなことがあるよね〉って投げかけるような気持ちで歌っています。

ベストに入っている“ONE LIFE”もそう。リリースしたばかりの頃は必死で歌っていましたけど、今はもうちょっと余裕を持って、〈それぞれの人生を大切にしようね〉という思いを届けたいなって」