Qnel

QnelとCosmic Mauveが、コラボEP『SPACE CANDY』を配信リリースした。

元LUCKY TAPESの高橋健介によるソロプロジェクト=Qnelは、これまでYONA YONA WEEKENDERSの磯野くん、FIVE NEW OLDのHIROSHI、DENIMSの釜中健伍らとコラボレーションを果たすなど、精力的かつ多彩な活動を展開。幼なじみで結成された〈サマーバンド〉のCosmic Mauveも、70~80年代のシティポップを感じさせる“サンローク”がSNSを中心に話題を呼び、4月には新曲“See ya!”をリリースしたばかりだ。

今回は『SPACE CANDY』のリリースに伴い、Qnelの高橋健介、Cosmic Mauveより中山貢太(ボーカル/ギター)、山口唯斗(ギター)、白井壱晟(ドラムス)を迎えてインタビューを実施。煌びやかな常夏感と宇宙的な浮遊感が心地よい“Space Cruising”やNatsudaidaiのヨウをフィーチャーしていっそう賑々しく届ける“ムーンライト~夏のVenus~”をはじめ、全5曲からなる、一足早く夏気分に浸れる新作について、両者の出会い、制作背景、収録曲の聴きどころなどをたっぷり語ってもらった。音源そのままの楽しい雰囲気になっています。 ※Cosmic Mauveの白井壱晟は途中参加

Qnel, Cosmic Mauve 『SPACE CANDY』 RALLYE/SPACE SHOWER(2025)

 

とんでもない連絡が来ました!

――QnelとCosmic Mauveの関係性から教えてください。

高橋健介「もともと何かで繋がってたわけではなく、今作がきっかけで知り合った形になります。RALLYE LABELの近越(文紀)さんに〈Cosmic Mauveをバックバンドに迎えるのはどう?〉みたいな提案をいただいたんですね。確かにそれもいいけど、彼らの“サンローク”とかはリスナーとして好きだったし、これだけ味のあるバンドならがっつりコラボするほうが面白いだろうなと思って僕から誘いました。

Cosmicはだいぶ下の世代なので、どんな化学反応が起きるんだろうという興味があったのと、僕が持っていない音楽性を持っていると思ったんです」

――声をかけてもらって、Cosmic Mauve側はどう感じましたか?

中山貢太「僕は驚きでしたね。健介さんがやっていたLUCKY TAPESはもちろん、RALLYE LABELの音楽も学生の頃から聴いている人間なので、〈嘘でしょ!?〉という気持ち。バンドのLINEで〈とんでもない連絡が来ました!〉みたいに大盛り上がりだったよね?」

山口唯斗「うん。お声がけいただけるような立場じゃない僕らとしては、この機会を逃しちゃいけないと思いました」

中山「自分たちはミュージシャンと名乗っていいのかっていう感じでしたけどね」

山口「マジでそのくらいの恐れ多さ!」

高橋「それは言いすぎでしょ(笑)」

 

Qnel兄貴の優しさに導かれて

――実際にお互いが会ってみての感触というのは?

高橋「制作を始める前に、みんなで焼き鳥屋へ飲みに行ったのが楽しかったんです。Cosmicの親しみやすい人間性もわかったというか、とにかく面白い奴らで。

本当は1曲だけのコラボ予定だったんですけど、すごくいい雰囲気でやれそうだし、僕の自宅に来てもらって作業したとき、初日でワンコーラスくらいが2曲できたから、この感じならいけるなと思ってEPにしました」

中山「健介さんが僕らにめちゃくちゃ優しくて、〈あんなに優しい人いる!?〉とメンバーで話しながら帰ったのを覚えてます。

ドラムの(白井)壱晟なんて、ついお酒が進んじゃってましたもん。しかも途中で寝ちゃったのに、健介さんは全然笑ってくださっていて。雲の上の存在っていうところからの出会いだったのが、その優しさでだんだんとお兄ちゃんみたいに思えるようになった感じです」

――打ち解けるのは早かったんですね。

高橋「でも、制作初日はCosmicの全員がバチバチに緊張してたよね。演奏の手も震えていて」

中山「いやー、そりゃあそうですよ(笑)」

山口「僕らはCosmicでの曲作りしか知らなかったですからね。健介さんのやり方を目の当たりにしたとき、〈えっ、このスピード感で進んでいくの!?〉という衝撃がすごかった。

作り始めたかと思ったら〈じゃあ、唯斗ちょっと弾いてみてよ〉といきなり振られるんです。その緊張感が最初は半端なくて、〈次は俺に来るんじゃねえか!?〉みたいな。他のメンバーが録っている時間は、裏で準備しておきたいくらいでした」

中山「めっちゃ焦ってたよな、唯斗」

高橋「僕はずっと楽しかったですけどね。かわいいなと思いながら(笑)」

山口「もちろん、僕も楽しかったですよ(笑)。慣れるまで少しかかったけど、回数を重ねるうちに緊張は和らいでいって」

高橋「逆の立場なら同じように緊張するんだろうなと思ったし、〈自分はもう先輩なんだな〉という気持ちで臨みました」