故郷の大作曲家ゼレンカの作品録音に邁進するチェコの俊英アダム・ヴィクトラと彼が主宰する優れた古楽団体、アンサンブル・イネガルによるシリーズ最新作。“スタツィオ”はイエスの人の子から神への変容を讃美する4曲から成るモテット。古様式のシンプルな形式ながら仕掛け満載の充実作。“ミゼレーレ ニ短調”は、目まぐるしく変化する旋律がゼレンカならではの対位法と和音進行でまとめられた劇的な大作。最後にはあの“アレグリのミゼレーレ”のゼレンカ編曲版まで収録され、アルバム全編、これ聴きどころ。ヴィクトラ指揮による超高水準の演奏はゼレンカの個性を際立たせている。