旧東ドイツが誇る名ヴァイオリニスト、カール・ズスケが1983年から1988年にかけて収録したバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータが遂にSACDで復刻です。格調高く気品溢れるその高潔な演奏は、まさしくヴァイオリン演奏の古典ともいうべき内容で、今日のほとんどのヴァイオリニストが往々にして参考にする歴史的名盤です。最も有名なシャコンヌもさることながら、ソナタ第3番のフーガが素晴らしく、重厚でありながらしなやかで、まるでヴァイオリンがオルガンのように複雑な声部を絡め合いながら奏でる姿はまさしく巨匠が巨匠たる所以を強く感じさせてくれます。