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25年続く友情

 カトリエル(本名:カトリエル・ゲレイロ)とパコ・アモロソ(本名:ウリセス・ゲリエロ)は、いずれも93年にブエノスアイレスで生まれ、出会いは小学校時代、7歳のとき。以来、友情を育みながら、まるで兄弟のように人生を共に歩んできた(つまりある意味、今年で結成25周年!)。ロック・バンドのギタリストだった父を持ち、子どもの頃からパンテラ、メガデス、スティーヴ・ヴァイといったメタルの難曲を弾きこなしていたカトリエルが、パコを音楽の道に引き込んだのも、だから必然だった。2010年、カトがギター、パコがドラムスを担当するロック・バンド、アストールを結成し、ライヴ活動を開始。ハード・ロックやプログレ、ファンク、レゲエなどを融合したハイレヴェルな演奏でコアなロック・ファンの注目を集めた。

 実はアルゼンチンは、南米随一のロック大国であり、現在もCDが根強く売れ続けている稀有な国。そんな音楽文化の中で、二人も活路を見出そうとしたのかもしれない。しかし、いくらライヴハウスを熱狂させても、練習スタジオ代や機材運搬費の赤字を、音楽教師としてのカトの収入で埋める日々が続き、彼らは疲弊していった。ちょうどその頃、アルゼンチンではアーバン・ミュージック、特にヒップホップが音楽シーンの話題をさらいつつあった。

 〈ヒップホップなら、ベッドルームで録音できる!〉――そう考えたカトは、ラッパーとしての別人格、カトリエルを立ち上げ、自宅録音のファースト・ソロ・アルバム『xCVE7Ex』を2015年に発表。ラテン・トラップが主流の国内にあって90年代アメリカ東海岸のヒップホップに近いジャジーなサウンドを打ち出したのは、マルチ楽器奏者でもある彼のミュージシャンシップの表れだろう。その実力は国内外のアーティストにも評価され、カトはこれまでアルゼンチンのみならず、スペイン語圏のアーティストによる多数の作品にゲスト参加している。